heigeの腹グロ転職

シタゴコロまみれな中国転職活動記です!

就職活動れぽ②

 さて中国の百貨店へ就職をお考えの皆さま(何人いるか知りませんが)、私が準備している資料について、今回はご紹介していきたいと思います。


 まず背景について整理してまいります。中国の百貨店、現在展開している百貨店ほとんどが1990年代に創立したものです。その後2000年代に店舗が爆発的に増加し、リーマンショックも北京五輪と政府の公共投資で乗り切り、2011年ごろにピークを迎えました。
 しかしその後起きたのは、①小売業面積の爆発的増加 ②ECの急激な成長 ③政府の贅沢禁止令という、他の国では絶対に考えられないマイナス要因でした。


 いや爆発的な増加ってどんなもんか想像できないでしょ?私がいた天津市で、2015年の商業面積が150万平米増えてます。1年間でですよ!中国全体であれば、1年間の増加は恐らく東京ドーム1000個分になるでしょう。この中で競争しなきゃいけない、普通の環境じゃないんです。


 おまけに中国でも、現状ショッピングモールが小売業の中心を担っており、旧来の百貨店は20年ほどの歴史しかないのに、時代遅れの遺物と化しています。特に90年代の百貨店は、モータリゼーションの異常な速さに対応できておらず、駐車場が足りないという致命的欠点を持っています。建物の構造的欠点でいえば、レストランも足りません。レストランの導入には、油や食べ物が詰まらないような太めの排水管や、排気ダクト・床の防水加工や冷房設備など、後付けの難しい設備が必要なため、そう簡単に入れることができないんです。でもいまどき話題のレストランやカフェは、集客に絶対必要ですよね。


 ②のECに関しては、日本の比ではないことがしばしばネットなどで話題になっていますので、皆様何となくご承知かと思うんですが、何が日本と決定的に違うかといえば、決済の方法です。電子決済の発展の仕方は、世界に類を見ないものです。やっぱし法律の未整備や、アバウトな義務感がファクターだと思うんですが、世界最高水準の技術をめちゃ身近に投入しちゃうスピード感はすごいと思います。


 ③の贅沢禁止令に関しては、実情をお伝えするのが難しいです。なぜ一部の富裕層に向けた贅沢禁止が、経済的なインパクトまで持ってしまうのか。そんなに富裕層の数が多いのかと思われるでしょう。
 でも富裕層の数は少ないんです。そいつらの使いっぷりが半端じゃないんです。この贅沢禁止令の後、海外へ資産を持ちだす輩が増加し、そのせいもあって人民元の価値が下がって史上初の「元安」が起こったのが2015年でした。企業のレバレッジ増加・過剰生産能力と在庫・悪名高いシャドーバンキングと理財、これらが重なって2015年は最悪の一年だったと思います。


 業界内ではコモディティ化が澱のように店舗に堆積しており、他社と差別化するような動きは見られません。新しいブランドの奪い合いや、毎日のセール活動・キャッシュバックという単純な解決策に追われ、重要な顧客は離反し利益は失われる現状です。問題の核は日本で起きていることとそんなに変わりませんね。


 中国の百貨店では、恐らくこんなことが起きまくっていると思われます。いや説明だけで結構時間がかかったので、対策はまた今度。